自社の業務を完遂するために、社員だけでは出来ないことも多く、またコストも高くついてしまいます。そのため、業務を切り出して外注しながら、社員はコアバリューを生み出す業務に集中することが大切です。
私達マーケティングアカデミアは「MAツールの運用業務」の外注先にあたると同時に、周辺業務(例えば架電業務やシステム開発)やノンコア業務(経理・労務・法務など)の発注元でもあり、外注や業務委託とは切っても切り離せない事業を営んでいます。
そのため、発注元・外注先どちらも頻繁に経験している私達マーケティングアカデミアの経験をもとに、外注先とのやりとり・コミュニケーションを取る際に意識していることをご共有いたします。
下記5つのポイントをおさえてコミュニケーションを取ることを心がけています。
それぞれ説明していきます。
外注先の担当者がストーリーとして自社のこと・自社の取組を理解してくれると共感度があがり、かつ、自社に合う提案・やりとりを進めてくれるようになります。
そもそも自分たちの会社は何をやっていて、現状どういった状況なのか。
外注する業務について、これまで〜現在の経緯は。
その経緯から、どのような課題感をいだくようになったのか。
そしてこの先、何をどのように変えていきたいのか。
これらを整理して説明します。
ゴールとタイムラインの共有は、とくにプロジェクト型では必須です。
たとえばウェブサイトやシステム、動画や資料など納品物がはっきりしている場合は◯月△日までに完成が必須ということをはっきりさせます。
継続支援型の場合、3ヶ月後・半年後・1年後・2年後など、マイルストーンを置いてそれぞれの時点で達している状態や成果を示します。
状態や成果は、KPIなど数値で示せば認識齟齬が起きないのでベターですが、注意点があります。
社内で上長・ステークホルダーから課されたハイアップな目標やKPIをそのまま外注先に全て任せて達成できることはありません。
そのハイアップな目標を達成するために、外注先にはどの部分をどのように支援・改善してほしいか、という所まで伝える必要があります。
そして、プロジェクト型でも、継続支援型でも、大切なのはポジティブなゴールイメージの共有です。もちろん、ゴール未達の場合のリスクも全く触れないよりは共有しておいたほうがいいですが、前向きに取り組む方が後ろ向きに取り組むよりも確実に速くゴールに近けます。
結局、外注業務のゴールを達成した時に最も得するのは自分であり、最も損をするのも自分です。
そのため、誰よりも成果に自分自身がコミットしない限り、達成はありません。
外注先が先に高いコミットを示してくれることはありますし、弊社もその状態を常に心がけていますが、発注元がコミットしていない限りはそれを活かすことはできません。
外注先も、発注元のコミットが低いと空回りしてしまいます。
高い成果を出すためにハイスピードなことはとても重要です。
外注先とのコミュニケーションにおいてはクイックレスポンスの積み重ねになります。
基本、まず自分がクイックレスポンスしない限り、相手がクイックレスポンスを返してくれることはありません。
外注先は、意識せずとも、相手のレスポンス速度にあわせてきます。自分が遅いと相手も自然に遅くなるのです。
発注元・外注先と先ほどから言葉を使っていますが、結局、人と人の関係です。
上下関係はぎすぎすします。
外注先の担当者目線になってみてください。
上の立場から強権的に色々と言ってくる発注元を好きになれるか?優先したいと思えるか?
Noだと思います。
唯一それでも優先してくれるのは、発注額=外注先から見ると受注額の大きい場合のみです。優先するほど大きな金額を外注先に出せる会社・人は一握りですし、人ではなくお金を見ている状況は健全な関係ではありません。
なので、人対人の関係として、上下なくフラットにコミュニケーションを取るのがベストだと思います。そしてそれが関係性を良くし、ゴールに近づきやすくなるためのコツです。
ビジネス×心理学にあたる、行動経済学の理論と照らし合わせてアカデミックに上記のポイントを確認してみます。行動経済学の観点では以下のような理論と戦略を考慮することが重要です。
行動経済学では、情報の提示方法(フレーミング)が意思決定に大きな影響を与えることが知られています。外注先とのコミュニケーションにおいて、以下の点に注意を払うことが効果的です:
プロジェクトの成功には、計画能力が重要な要素となります。外注先とのコミュニケーションにおいて、以下の点に焦点を当てることが有効です:
人々は現在の状態や感情を将来に投影しがちです(投影バイアス)。このバイアスに対処するため:
ナッジ理論は、強制せずに望ましい行動を促す手法です。外注先とのコミュニケーションに応用するには:
規範的行動経済学の観点から、外注先との関係性を構築する際には:
これらの理論を踏まえ、以下のような具体的なコミュニケーション戦略を実践することが効果的です:
これらの戦略を適切に組み合わせることで、外注先や業務委託先との効果的なコミュニケーションが可能となり、プロジェクトの成功確率を高めることができます。ただし、各組織や個人の特性に応じて、これらのアプローチをカスタマイズすることが重要です。
アカデミックに行動経済学から導き出したもののほうが広くカバーされています。
行動経済学のほうが信頼できる&具体的に活かせるという方はそちらを参考にしてください。
5つのポイントのほうがシンプルで、言葉遣いも平易です。
これからはじめて外注される方や行動経済学の理論がわかりにい場合はまず5つを活かしていただければ幸いです。