MAツール(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)は日本国産外資ともに色々なものが出ていて、知っている人・使いこなしている人からすると違いも分かるものでしょうが、そうでない(大半の)人にとっては何がどう違うのかさっぱり分かりません。MAツールの中の人から話を聞くと、導入していても理解が進まず、高額なMAツールをメーラーにしか使えていないという話も普通によくある話だそうです。
そんな失敗談もあることから、はじめてMAツールを導入するときはあまり高額ではないものからスタートしたいという人が大半ではないでしょうか。そうすると、初期費用10万円・月額10万円のゾーンに複数の候補があり、比較しながら導入したいときはこのラインがおすすめです。
以下の3つを比較検討しました。
いずれも基本的な機能は十分に備えているので、事業特性や目的に合わせて選んでいけばいいと思います。
各社の機能を見ていく中で、このあたりはどのMAツールでも出来ることでした。逆に言うと、それ以外の要素で選んでいけば良さそうです。
MAツールの導入を検討する人はおおむね欲する機能ではないでしょうか?特定の条件にある人に対し、ひな形どおりのメールを送付する機能。メルマガ的に特定のグループにいるお客さん(もしくはメールを送信出来うる全てのお客さん)に随時メールを送るか、お問い合わせや資料請求など特定のアクションを行った人のみ定期的に数回のメールを送る機能。これはいずれのMAツールでも対応可能です。
上記のステップメールなどに関連しますが、一定の条件をもとに様々なアクションが出来る機能はいずれのMAツールにもありました。
たとえば、「◎◎というアクション(閲覧・開封・サイト来訪など)を行ったらメールを送る→そのメールを開封したらタグを付与+ブラウザ通知を送る→ユーザーにポイント加算→3日後に次のメールを送って反応が無かったらタグ削除」など。
Google・Yahoo!などのWeb広告とデータ連携することができます。具体的には、MAツール側で作ったグループをリストとして広告側に渡し、広告側ではそれぞれのグループに対して別々の訴求を行えます。
特定のサイト来訪者に対して、ポップアップを出すことで資料ダウンロードやお問い合わせ、限定情報の表示などを行うことができます。
国産MAツール各社で異なるのが、登録されたユーザーに対するPushの方法。メールが使えることは共通するのですが、出来るできないがでてくるのは以下のようなツールです。
ターゲットユーザーは普段どんなアプリを使いどんなメディアを見ているか?それを把握できていると必要不要が分かります。
MAツール上からランディングページの作成を行うことも出来ます。作成方法は一般的なCMSと大差ありません。MAツールの中でランディングページを作成した時のメリットは、フォームや資料ダウンロード、コンテンツ出し分けやポップアップなど同じツール内で完結できるコンテンツと連携しやすいことでしょう。注意点は作成できるページの風合い・レイアウト。自由度の高いツールもあれば、良くも悪くもレイアウトの固定されたツールもあるので検討時には注意が必要です。
MAツールから個別のメールも送れると、開封やクリックの確認ができます。実は営業担当にとっては貴重な情報で、見てくれているか否かが分かると動きやすさ抜群です。これも、ツールによって出来るもの出来ないものがあります。
正確に言うと、どのツールも可能ですが、基本料金で出来るか否かに違いが出ます。特定の企業から来訪や閲覧ページの数が多いと自社サービス・プロダクトに興味のある証拠。BtoBのビジネスではこの情報がかなり有用です。
月額10万円の国産MAツールは他のツールと連携することが出来ます。SFA、CRMと連携してリード獲得以後の受注や顧客満足を一体的に展開することも出来ますし、BIツールと連携することで統合的にデータ分析することも可能です。その他にも各社から様々な連携が発表されています。これを軸に検討することも多いでしょう。
機能ではありませんが、デザイン・ナビゲーションの配置・導線などUIも重要な比較項目です。見やすさ・操作感・愛着など、日々使うものなので軽視せずきちんと確認することをおすすめします。
比較した上での特徴は以下の通りでした。
上記の特徴はtoBに有利だと思います。実際、今回はtoBむけのMAツールを探していたので、最終的にSATORIに決定しました。とくにIPアドレスでのサイト来訪企業判別は、他社だとオプションになり、この金額差は大きいと思いました。
比較した上での特徴は以下の通りでした。
toCの案件だったらMAJINだったんじゃないかと思います。SMS、LINEなど個人個人の携帯電話にPushする方法が多彩なのがGood。また全体的に、まさに「オートメーション」部分を丁寧に愚直にやりきろうとするスタンスなので、それもtoCのほうがマッチすると思います。一方で他ツールとの連携は少なめ。MAツール単体で運用を考えている人におすすめです。
比較した上での特徴は以下の通りでした。
もともとセミナーやイベントのツールとして使えたこともあって、それらのイベントをよく開催する企業には便利な機能が豊富です。その他の機能も網羅性高く、UIが他2ツールと比べてクセある点だけマッチしてしまえば使えるツールだと思います。
月額10万円より安いツールは2種類で、bow-nowとMautic(ダウンロード版)です。bow-nowは月額3-5万円など格安で使えること&この価格で企業IPアドレス判別が出来ることがメリット。とはいえ価格なりのツールでその他機能は最低限。MAツールを使いこなせず、メールだけ最低限送れればOKという企業むけです。Mautic(ダウンロード版)は、自社のサーバーにダウンロード・インストールさえすればいろいろな機能が使える上に無料というメリットがあります。一方で何が起きても自社で解決しなければならず、サポートを求める企業には不向きです。
月額20万円クラスになると、(こちらはデモやトライアルをしておらず未検証ですが)MAツールにプラスアルファの機能がついてきます。b→dashはBIツールのような役割をこなせたり、ferret oneはCMSも含まれているイメージです。ニーズがバチンとはまったときはかなり良いのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか?MAツールはとても有用ながら選定・導入・運用に難しさを感じてしまいがちなツールです。弊社マーケティングアカデミアではこれらのサポートも出来ますので、お困りの際はいつでもお問い合わせください。マーケティングと営業をつなぐツールでもあるので、両方の経験やスキルを備えた担当がご支援させていただきます。