「MA(マーケティングオートメーション)ツールを使ってナーチャリング」と言われ、なんとなく効果がありそうな気がするけど何をどうしたらいいか分からない。
そもそも、どのツールがMAツールで、どのツールがそうじゃないのかがよく分からない。
そんな声をよく聞きます。
確かにマーケティングオートメーションは"マーケティング"という言葉がついているものの、他のマーケティング業務と違う考え方・違う進め方が必要になります。あらかじめ感覚をつかんでいる方は多くありません。
分からないままにMAツールを導入し、もったいない運用になっているアカウントは頻繁に見ます。
そこで、ここでは、MAツール運用専門カンパニーであるマーケティングアカデミアが「MAツールとは?」「マーケティングオートメーションとは?」を説明します。
少しでも理解の助けになれば幸いです。
まずは、ツールの説明をする前に「マーケティングオートメーション」の概念について理解する必要があります。そもそも、「マーケティングオートメーション」とは何でしょうか?
実は言葉の定義を素直におろしたものが本質に近いです。
マーケティングという言葉の定義は様々ありますが、「売れる仕組みを作ること」「顧客に価値を訴求すること」などの活動が該当します。
その言葉の定義を素直に読むと、いわゆる「マーケティング部」の取り組みも「営業部」の取り組みも、ともに該当します。
オートメーションは直訳のとおり、「自動化」です。
マーケティングオートメーションの特徴として、次の3要素があげられます。
■一元化
顧客情報、および顧客の取引履歴や商談・電話・メール・Webサイト来訪履歴などのアクティビティーを一元化して格納し、リストやレポートに出力もできます。
■自動化
Webサイトコンテンツ/メール/LINE/広告などのプロモーション・営業活動を自動化できます。
一度テンプレートとシナリオを用意すれば、その効果はシナリオをONにする限り続くため、資産となり長く継続活用できます。
■個別最適化
一元化された情報を使い自動化すると、顧客から見たとき自分のための連絡が、ちょうどいいタイミングで、届くようになります。
連絡手段も複数用意することで、個々の顧客に合ったツール・メディアでのコミュニケーションが取れるようになります。
そのため、マーケティングオートメーションが出来る「ツール」は、顧客情報や顧客アクティビティ情報が一元化でき、自動で、個々の顧客に個別最適化されたコミュニケーションが取れるツール、ということになります。
では、具体的にマーケティングオートメーションツール、MAツールを使ってどのようなことが出来るのでしょうか?
圧倒的に多い誤解が、「メルマガ送信マシーン」です。
あくまでもメルマガは様々な機能のうちの一つです。さらに、メルマガは最も勿体ない使い方の一つです。
MAツールには下記のような機能が多く備わっています。
■シナリオ
特定の条件に該当した時に、指定したアクションを自動で行う機能です。
指定するアクションのラインナップはMAツールによって違いますが、ほぼ確実にメールの自動送信は含まれています。
■メール配信
MAツールで利用するメールには3種類あります。
上から順番にどのツール・どのプランでも利用できることが多くなっています。
■社内通知
自社サイトに訪れた、メールを開封した、資料をダウンロードした、等の顧客行動発生時に担当社員に自動通知する機能です。
営業絡みでは、最後に商談してから◯◯日・見積を出してから△日など、営業アクティビティを活用した通知も作ることが出来ます。
■LINE・SMS
MAツールからLINEやSMSを送ることも出来ます。開封・クリック率ともにメールより高い点が特徴ですが、送りすぎた時に嫌われやすくなる点が注意です。
とくにLINEをはLINE友だちに一斉配信することも、シナリオに組み込み自動配信することも出来ます。
詳しくはこちら
■ポップアップ・チャットボット
自社サイトにポップアップやチャットを設置することも出来ます。
MAツールのポップアップやチャットボットがすぐれているのは、URLだけでなく顧客情報・アクティビティも掲出条件に出来ることです。
休眠顧客だけのチャットボット、新規問合せがあったけど商談が設定できていない人だけのポップアップ、などはよく構築支援をさせていただきます。
■ウェブサイトページ(CMS)
CMSの機能を備えるMAツールも複数あります。
ポップアップ・チャットボットと同様に、特定の顧客だけに一部のコンテンツを差し込むことが出来るなどの特徴があります。
ただしツールにより出来ること・出来ないことの差が大きいので注意が必要です。
■リスト
メールの配信やポップアップ・チャットボットの掲出条件によく利用します。
顧客情報・アクティビティ・ウェブサイトの訪問状況や閲覧ページなどから条件を指定しリストを作成することが出来ます。
■データ設定
特定の条件を満たした時に自動で日付を登録する・ルールに従って自動で担当者をアサインするなど、データ設定もできます。
■レポート
MAツール上で取得できているデータをレポートとしてリアルタイムで見える化することが出来ます。
マーケティングオートメーションツール=MAツール。「マーケティングオートメーション」。
オートメーションと言うだけあって、本質は自動化です。お客様対応をデジタルの世界で自動化していきます。
何かすごいことができそうな気もしますが、とはいえ自動化して何がしたいか?という所が大事になってきます。それらを具体的に見ていきましょう。
まず自動化して何がしたいかと言うと、個別対応です。そもそもお客様ごとになぜ自分の商品を気になってくれたかと言うきっかけは違いますし、予算も違いますし、重視されるポイントも違ってきます。検討するタイミングも会社や人によってまちまちです。
営業が直接お客さんと連絡をとっているときは、会話をしたりフォローしたりしながら各担当者が目の前の人を見、まさに個別対応してると思います。絶対その方が受注確率が上がるし、それが礼儀でもあるからです。
それならば、なぜウェブサイトやメールでも個別対応しないのでしょうか?おそらくほとんどの方は個別対応ができないと思い込んでいるか、個別対応するための設定や作り込みができないと言うことが原因だと思います。
そこでMAツールなのです。
もし個別対応するためのシステムや複雑なウェブサイトを自前で作り込むと、とんでもない金額と時間がかかり、現実的にやりきれません。
MAツールならばデジタル上で個別対応するための機能をあらかじめ用意してくれていて、ウェブサイト上にわかる人なら5分で終わる設置作業をするだけでいつでも使えるようになります。
そして顧客対応を個別最適化していけばしていくほど、一人ひとりのお客さんのニーズに合わせた対応ができるようになり、受注確度を上げていくことができるのです。
次に自動化して期待する事は、業務効率化です。今まで営業担当やマーケティング担当が一人ひとりの個人的な努力で頑張っていた事を抜け漏れなく対応することができるようになります。
例えば営業の場合、商談後の進捗確認やフォローはするべきですし、皆さんいつも仕事としてされてることと思います。ところが、現実を考えると時間が足りなくてすべてのフォローを完璧にやり切ると言う事はできていないのではないでしょうか?
現実問題、仕方がないと言えば仕方がないんです。受注確率が高いお客さんほどフォローを提案しますし、受注金額の大きいお客さんほど諦めずに何度もフォローすることと思います。それが合理的ですし、 限られた時間の中で売り上げを最大限にするためには必要な取捨選択だと思います。
ところがその判断で必ずしも正解とは限らないのでしょうか?また基本的には、提案した案件が自分たちのフォロー不足により失注したと言うのは避けたいことではないでしょうか? 相手の理由で失注することは仕方がないと思います。でも、自分たちが連絡しなかったことによってフォローが足らず失注したというのは避けたいものです。
だからどの会社にも当たり前のように連絡する事は共通化して自動化してしまえばいいのです。 商談後すぐに自動送付の登録をすれば、直後に資料をおくったり3日後に検討状況の確認をしたり、1週間後に課題点をヒアリングするように営業に社内通知を送ったり出来ます。
また、 しばらくぶりのお客さんが自社のサイトに訪れてくれたとなると、営業としてはアポイントを取得する適切なタイミングになります。何か情報をお探しですかとかひょっとして案件あったりしますかとか。 それを自動でメールを送っても良いですし、営業のタスクを作成して連絡を入れてもらうように促すことができます。
そして自動化したら見える化が出来ます。
MAツールを使うと、基本的にはツール上で行われた事は履歴として残っていきます。そのためその履歴をまとめてグラフや表等のレポートにすることも可能です。
MAツールの場合、日々リアルタイムでそれぞれが対応した内容を反映していきます。そのためその時々の状況がリアルタイムにレポートに反映されていきます。
これの何が良いかと言うと、レポート作成の作業がなくなると言うことです。 MAツールの中のレポートが目を開けば今の状況が一目でわかり現状把握ができます。その状況に合わせて対策を立てていけばいいのです。
また、MAツールは営業にもマーケティングにも使うことができます。 マーケティング側が広告を出して問い合わせをしたお客さんに対して、営業がアプローチをかけて商談をしクロージングし受注につなげる。それらの1連の流れが通常でMAツール上で把握することができます。
そうすると何が見える化できるかと言うと、例えば営業視点ではどの経路で問い合わせをしてくれたお客さんが最も受注率が高いのかということが把握できます。それによって対応の濃淡を変えることができれば効率よく受注に導くことができます。
同じことをするマーケティング側に立って見てみると、どのチャンネルから問い合わせを獲得すれば受注につながりやすいのか、さらにはその後の売り上げが高いのはどの経路かといったことも把握できるようになります。
それにより、もっとコストをかけて良いチャネルはどれか、コストをかけても受注や売上につながらないチャネルはどれかということが把握できるようになります。
様々な活用方法がありますが、3つほど例をご紹介します。
■ウェブ上で個別対応が出来る
MAツールを使うと、ウェブ上で個別対応が出来上がります。
どんなことがウェブ上での個別対応かというと、例えばお客様の情報に合わせてお勧めする商品を変える。 チャットでお客様の要望を聞きながら、要望に合わせた提案をすることができる。今までのウェブサイトの来訪回数に応じて提案する資料やセミナーを変えてポップアップなどで出し分ける。 そのようなことが可能になります。
ウェブサイトでも人に合わせてコンテンツを出し分けることができると言う事は、メール等の音ができることです。重要なお客様だけに自動で振り分けてメールを送ることができれば、次に開くセミナーにぴったりの方だけにプッシュ通知を送る。そのようなことができるようになります。
それ以外にも広告を出し分けることもできるようになります。例えばBtoBの場合、ターゲット企業の部長以上の方だけをリストにして、そのリストの対象者だけに広告を 配信することができるようになります。それ以外にもBtoCの場合だと、前回の購入から1年を経過したことにその後どうですかと言うことをもちろんメールも送れますが、Facebook広告やGoogleのバナーでお知らせすることも可能です。
MAツールのできることが分かりましたが、具体的にMAツールでできることはどんなことでしょうか?ここでは活用法を紹介していきます。
先ほど業務効率化の中で触れましたが、商談から受注までのフォローを自動化することができます。
例えば商談が終わると必ず資料を送ると言う場合は、商談が終わった時点で自動処理をスタートさせれば自動で資料送付ができます。
そして翌日にメール開封していなければ再送することもでき、メールを開封している場合には、資料はいかがでしょうか?と言う形でフォローアップの連絡をすることができます。
そこから先は商品特性によって3日後・1週間後・半月後・1ヶ月後など、 自動送付でメールを送ったり、社内タスクを作成して担当者が抜け漏れなく状況確認をするように促すこともできます。
これによって、営業担当者は抜け漏れなくフォローができるようになりますし、自動処理以外での重要なタスクに集中することができます。
例えば大口取引先の部長クラスが自社のサイトを訪れてくれた場合。 今までそのようなことが把握できていたでしょうか?
商談後、資料を送りフォローはいれていたけどいまいち反応がなかったお客様。ところが、2週間経った時点で資料を再閲覧してくれた。 そのようなことがわかったらどれだけ営業がやりやすくなるでしょうか?
サイトを訪れてくれたことや資料を閲覧してくれたことを言わなくても構いません。 その後ご状況いかがですか?と言って電話やメールで担当者からご連絡差し上げたら案件が掘り起こせるかもしれませんしアポイントが取れるかもしれません。
少なくともそういった重要な行動を知らずに闇雲に連絡をしたりアポイントを取るより確実に受注につながるアプローチとなります。
運用を進めていけばその中でもアポイントや受注につながりやすいページや資料がわかってきます。それらの行動を点数化して一定の件数を超えたお客さんに対してアプローチをしたり社内通知を送ったり社内タスクを作成することも可能です。
先ほども例に出した大口取引先の部長クラス。 例えば1年以上取引がない時に久しぶりにサイトに訪れてくれました。 営業に通知を出して電話やメールをするように依頼することもできますが、それ以外にも専用のチャットを出すことも可能です。
営業の対応に任せると、個別に丁寧な連絡ができるメリットがあるかわりに、遅れてしまう可能性があります。 営業時間外や土日にサイトに訪れてくれるかもしれません。そのような場合のことを考えてサイト上で個別対応することも可能です。
例えば担当者の顔写真が表示されたチャットをホームページの右下に設置しておきます。「ご無沙汰しておりますその後いかがですか?」といった呼びかけでチャットを開始し、おもに選択肢式の質問を5から10件進めながら、回答内容によって案内を変えることができます。
チャットの最後は「営業から連絡させます」という形で終わってもいいですし、ツールによってはそのまま担当者の空き時間を確認しアポイントを設定することもできます。
MAツールの良いところは、このような施策をしたい人だけにすることが可能なことです。
例えば過去に問い合わせをしてくれたけど情報収集のみで購買には全く繋がらない人。そういった人を対象外として判別することができます。
他にも会社の規模や相手の役職などの属性、もしくは過去の購買回数や契約期間による出し分けなども可能です。
GoogleやFacebookなどのウェブ広告でもMAツールを有効活用することができます。
広告側の管理画面ではサイトを何回訪れたか・このページを見たなど自社サイト上の行動でグループを作りその人だけに配信する・しないなどの調整ができます。
ですがMAツールを使うと管理職以上のお客様だけ、購入から1年以上経った人だけなど顧客属性や営業データを使ってグループを作成し配信するが出来るようになります。
その人達に直接アプローチをすることもできれば、さらに面白い取り組みとしては、「そのグループの人たちに近い人」だけに広告を配信してくれる機能です。これはGoogle広告やFacebook広告の類似ユーザー配信を使うことで可能になります。
MAツールを使うと営業対応の抜け漏れをなくすことができます。
どの業界どの会社の人も営業はおしなべて忙しい。きっと変わらないことだと思います。だから重要顧客の大切な案件やトラブルのように目に見えています対応しなくてはいけないものは、きちんとされていることがほとんどです。
ところがそれ以外の案件となると、やらなきゃいけないことはわかっているけど、それをやる時間やタイミングを作ることができず、つい放置してしまいがちです。
管理職からはどうなったとか早くやれとかもちろん社内で確認されていることと思いますが、とは言えなかなかそれをやる時間はない。 また、その対応によって生まれる収益もそんなに大きくないことがほとんどだと思います。
それであれば、どの案件も決まってやらなくてはいけないこと、例えば資料を送ったら翌日にフォローを入れる。1週間後にご検討状況いかがでしたかと確認を入れる。そのような絶対やったほうがいい、決まりきった対応については、 自動化してしまえば良い。まさにそれがMAツールでできることです。
また、抜け漏れと言う頭違うかもしれませんが、本当はやれるはずなのにやっていなかったこと。それができるようになるのもMAツールの役割です。
例えばどんなことかと言うと、
MAツールであれば重要顧客が自分のサイトを見てくれたことをその場で通知することができます。重要顧客なので営業担当としては、そんな情報は1秒でも早く知りたいと思うじゃないですか。それがわかればなるべく早く電話をかけてみたり、電話が通じなかったとしてもメールを送ってアポイントの打診や追加資料の送付等 することができるようになります。
その場で通知するだけではなく、履歴をとってくれるので、商談前にその人の詳細ページを見るといつどのページを閲覧してくださったか、どのメールを開封してくれたか、資料をダウンロードしてくれたか。 そのようなことも分かるようになります。
数年経つとひょっとすると、商談前に相手がどのページを見てくれたかを知らずに臨むことが失礼になるかもしれません。どのような情報に触れて相手は打ち合わせに臨んでくれているのか。それを知ることで先に提案内容の仮説が立てられますし、相手のことを理解した上で商談に臨んでいるという姿勢を見せることもできます。
ウェブ上での個別対応や抜け漏れのない営業対応ができるという事は、営業もマーケティングもMAツールを使うことで精度を上げることができるということです。
営業活動にもマーケティング活動にも使えると言う事は、それぞれの状況をツールの中で把握することも可能です。
営業プロセスを管理すること、デジタルマーケティングの状況を把握すること、そのように今までも他のツールを使って集計していた数字を出す事はもちろんできます。
それだけではなく、さらに使い方 を進めていくならば、どうもマーケティングチャンネルから問い合わせが来ていると受注率が高いか、どのチャネルから来た問い合わせに対してはどのような営業手法をすると受注に持っていきやすいかなどを営業とマーケティングのデータを統合することで今まで見えていなかったことがわかるようになります。
さらにありがたいことで言うと、いちどレポートの機能を組んでしまえば、毎回それらのデータを集計することなく、画面を見るだけで一通り現場のことがわかるようになってきます。そのため実態としてはMAツールを使っていくだけでいつの間にかデーターが溜まりレポートが更新されていると言う状態を作ることもできるのです。
MAツールでできることを紹介しましたがそれはどのような仕組みでできるのでしょうか?
MAツールはクッキーと言う仕組みを使っています。お客様とお使いのパソコンやスマホを一致させるための仕組みです。 厳密に言うと、その中のブラウザクロームであったりとかMicrosoftエッジだったりとかそういったソフトと紐付けています。
MAツールの中に個人情報が登録されていれば、具体的な人を紐付けられているのです。個人情報が登録されていないユーザについては そのブラウザから自社のサイトではどのようなページを閲覧したか、クリックしたかといったウェブサイト上での行動が情報収集されています。
MAツールは5~6件使ってみると、出来ることに大差ないことが分かります。なのでデザインが好き、料金が自社のプランと合っている、 サポート体制が自分たちのニーズと合っているかなど、機能以外の部分で選んでもほとんどの場合差し支えないと思います。
ここではシェアの高い有名なツールを紹介しています。
Account Engagement(旧Pardot・Salesforce)
Account Engagement(旧Pardot)はセールスフォースが提供するツールです。すでにセールスフォースを導入している企業が活用方法を広げるためにと言う理由で導入されるケースが非常に多いです。
セールスフォースの強みは営業体制がしっかりしていること。10年15年以上日本での営業をしっかり行っているので、、例えば地方の中堅企業などが知り合いに話を聞きたいとなるとセールスフォースなら近くに営業がいて会えるよーといったケースも多いようです。
担当者に相談をする、カスタマーサポートに問い合わせをするなどの質問を比較的しやすいのが特徴ですが、その他にもコミュニティー運営が進んでいて、例えば20代マーケターの解約とか他にも北陸ユーザの会とか、自分に合ったコミュニティーで相互に質問しあったり活用法をシェアしあったりすることもできます。
最もシェアの高いツールになるので、相談できる人の多さや活用法が周りでいろいろ聞けるなどの点を重視する人にはお勧めです。ただしオプションプランや追加料金が発生しやすい点には注意。Pardotだけを導入するならば月額100,000円台〜200,000円台といったレンジかもしれませんが、セールスフォースの他の機能を同時につけると追加コストが発生しやすい点は事前に検討しておく必要があります。
HubSpot
ハブスポットはシリコンバレー発のツールです。 シリコンバレーの中で働きやすい企業ナンバーワンになったこともあると言うエピソードなっています。
ハブスポットの特徴はMAツールからスタートし徐々に領域を広げているところになります。そのため顧客を掘り起こす・獲得するといったまさにお客を増やしていくための手段が充実しているのが特徴です。
中でも弊社でもお勧めしていて、使いやすいのがチャットです。サイトの右下にチャットボタンを出してそこからクライアントのニーズを引き出しつつお問い合わせや商談にもっていくことができます。
その他の機能もかなりたくさん備えていて、自分たちの使いたいプランで進めることができます。 カスタマーサポートも返信が早いです。リアルタイムにチャットができたり、メールで問い合わせをした場合も大半は1営業日以内に返事が返ってきます。
反面、何でもできるが故に、何をやったらいいかわからないとか一つ一つの機能を覚えるのが面倒になってきて、ついつい思考停止になってしまいがちなところがあります。
弊社でもその多機能な部分だけクリアできればとても使い勝手が良いツールだと思っており、お困りの企業様を支援させていただくケースが多いです。
Marketo(Adobe)
Marketo(マルケト)はアメリカ発のMAツールです。日本法人を立ち上げた時に代表をされていた方が書かれた本『The Model』は、ツールを運用する人やインサイドセールスをしている人にはバイブルのような多くの方に読まれています。
マルケトはこの領域の代表的なツールでもあり、MAツールでできる事は一通り機能として備えています。営業を一緒に使うことで効果をさらに高めることができると言う、HubSpotと同じ特徴を備えています。
注意点は価格で、基本的に大企業向けのエンタープライズソリューションを施行しているところです。大企業む高価格帯のツールとして良いものになっていると思いますが、月額50,000円・100,000円・200,000円といったレンジに収めたい会社の方には予算が合わず、お見送りとなることが多いようです。
SATORI
CMもしているSATORIは日系のMAツールです。 BTOBに特化して開発を進めているようです。
特徴は、その中でも新規顧客の獲得に向けて必要な機能を作り込んでいるところになります。中でも便利なのが、 どの会社が自社のホームページを見てくれるかということを推測できることです。今まで取引のない企業でもIPアドレスを使って会社の事業所を特定し、おそらくこの企業の誰かが今御社のサイトを見ていますよ、と言うことを表示してくれます。
後はプッシュ通知を昨日デフォルトで構えているところが便利なところです。スマホやPCでブラウザの通知機能を使いお知らせを届けることができます。メールよりも開封率やクリック率が高いそうで、効果的な顧客通知方法です。
ネックポイントはカスタマーサポート。2019年や2020年時点での情報ですが、問い合わせが多すぎて対応が追いつかず、回答に1週間以上お待たせしてしまうことがありますというふうにアナウンスが来たこともありました。日々回答スピードの改善に努めていることと思いますが、いずれにしても セールスフォースやHubSpotを比べると回答速度は遅いと思って間違いなさそうです。
BowNow
BowNowは シンプルな機能でリーズナブルな価格を売りにしているツールです。機能は本当にシンプル。顧客のデータが入れられて、メールが送れて、フォームを作ることができる。基本的にはそれに集中しているツールです。
中の人良いお話を伺ったことがありますが、まさにセールスフォースや後で紹介するMarketo、Eloquaなどの高価格帯のMAツールを使っていたけど使いこなせなかった人。そのような人が、だったらシンプルで安いツールでいいじゃないと言うことで導入に至るケースが非常に多いようです。
そのため注意点は、MAツールの機能をしっかり使いたいと思っている人には期待はずれになりかねないと言うことです。
シナリオを組んでメールを自動送付したい、顧客の行動を点数にしてスコアリングしたい。そのようなニーズはなかなか満たされなかったり、一見できるように見えても 実は手動でデータを登録する必要があったりします。
また、 過去の経験ですが問い合わせに対する回答スピードはあまり速くありませんでした。問い合わせから1営業日を過ぎて返信が返ってこないこともあり、こちらからまだでしょうかと督促をしたことが1度ではなくあります。
2021年7月に発表されたデータによると、MAツールのシェアは下記のようになっているそうです。
1.Pardot
2.BowNow
3.Marketo
4.Hubspot
5.リストファインダー
6.SATORI
7.Kiros3
(参考:https://datasign.jp/blog/datasign-report-docodoco-20210731/)
これは機能や価格をどれだけユーザに評価してもらえているかと言う順番ではありますが、必ずしもシェアトップのツールを使えば自社の成果が最大化すると言うわけではないと思います。
上位のツールはリリースした時期が早かったり、営業体制が大きいなど、機能以外の面ですぐれているケースがあるためです。
弊社ではMAツールカオスマップとMAツール比較表も作っています。参考にしてください。
ご紹介した中ではHubSpotがフリープランを持っています。その他のツールも一定期間デモアカウントを発行してくれるなど、トライアルが可能なものもあります。
他には、Mauticというツールは、自社のサーバーにインストールするタイプなら無料利用も可能です。
MAツールはBtoBビジネス、BtoCビジネスどちらでも活用できます。
MAツールの運用でよく思い出されるのかメルマガを送ることです。ダウンロード資料を用意してメルマガで案内して、それをトラッキングすることで顧客の状況を把握しつつ、少しずつ受注に向けて意向を高めていくことができます。
しかし、資料をアップロードしてメルマガを送りまくるだけだと、10年前のテレアポと手段が変わっただけで結局ほとんど変わらないのではないでしょうか。
電話に比べると、相手からむげにされたりきつい言葉を浴びせられることがないので、 幾分気持ちが楽になりますし一度にアプローチできる効率と言う意味ではかなり上がると思います。
じゃあ何をすれば良いかと言うと、営業が欲しい情報をしっかり届けるというところが大事になってきます。
例えば商談前にこれから話すお客さんは自分のサイトのどこを見てくれて商談に臨んでいるのでしょうか?これが出来るのがMAツールです。
今はひょっとするとそんな情報を持たずに商談に臨んでもなんと思われないかもしれませんが、数年後には商談前に自分のサイトのどこを見たか位把握して商談に臨んでほしいと言う状態が当たり前になるかもしれません。
また、ターゲット企業の意思決定者が自分のサイトを覗いてくれたと言ったら、その情報は一刻も早く知りたいと思いませんか?
特定のユーザがサイトに訪れたこと。ただサイトに訪れたと言うだけではなく、料金表や詳細ページのような重要なページを閲覧してくれたこと。それ以外にもメールを開封したことや資料をダウンロードしたこと。
提案機会を増やせそうな行動を発見したときには自動で担当者に通知が行くような仕組みを作ることができます。
他にも、担当者の顔写真を表示して「ご検討状況いかがでしょうか?」というコーナーをサイト上に挿入することができたりします。 これは休眠顧客の掘り起こしやクロージング途中のクライアントに有効な施策です。
コーナーとまで行かなくてもポップアップやチャットで表示することも可能です。この辺は使うツールによってできるできないが変わってきます。
まずBtoCの場合、少額の商品については率直なところMAツールに向いていないと考えて良いです。
例えば消費財や食品。1つの受注や購買が、100円200円となるとなかなか個別にアプローチする甲斐がありません。そのためある程度の受注単価が見込まれる商品の方が向いているものと思います。
じゃあどのくらいの単価ならいいかといいますと、1つの購買や受注に対しておおよそ 100,000円を超えているあたりからはのではと思います。現場よく使われているのはもっと金額の大きなもので1,000,000円台の受注単価になったりとか10,000,000円台の受注だったりとかと言うものが頻繁に使われているようです。
具体的には不動産自動車といった高額商品。また人材ビジネス用に1度の制約で1,000,000円2,000,000円単位の売り上げに直結するもの。 この辺の領域では既に納入されている企業も一定割合いらっしゃいます。
ECとの親和性もあります。 購買データに基づいて顧客リストを作り、その顧客に近い他のユーザだけに広告を出すことができれば、購買情報をもとにもしくは商品閲覧情報をもとにフォローメールを出すことで買い忘れのリマインドができたり追加の受注が提案できたりします。
例えばHubSpotではShopifyとの連携方法もまとめれており、ECユーザーを想定した活用法も各ツールで着々と積み重ねられているようです。
ここまでMAツールのできることや主なツールの特徴、BtoB・BtoCでの活用法などご紹介しましたが、自社で導入すべきツールや活用方法は近くできそうでしょうか?
ただでさえ機能が多く使いこなすのが難しいMAツール。なおのこと、はじめてのMAツール導入であればわからないことが多く困ります。
そんな時は弊社にお問合せください。どのツールを導入するのが合うか?初期設定はどうしたらいいか?その後の改善は何からどう手を付けていくか?などお困りのことをサポートいたします。
やりたいことはあるけど稼働が取れなくて進まない場合も運用支援ができます。お気軽にお問合せください。
弊社が運用したMAツール活用事例もご紹介いたします。
「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」など関連用語の解説も含まれています。