私は2010年からSEOの世界に入りました。当時のSEOはサイトランクが高いところから被リンクを貰いまくるという世界。リンク元の内容はかなりどうでもよく、ただ、被リンクが集まっているサイトから被リンクを貰って来いというシンプルな世界でした。その頃からSEOに携わっている者として、思うことがあって記事にしてみました。
「コンテンツマーケティング」のはじまり
2012年頃から、サービスサイトにブログコーナーを設けてコンテンツマーケティングを行うサイトが増えました。そして、私自身も時流にアーリーアダプトし、運営していたポータルサイトにブログコーナーを設けました。
当時、SEO業界では3つのトレンドがあり、それがコンテンツマーケティングへと各サイトをいざなったと理解しています。
- Googleのアナウンス「検索ワードに親和性のあるコンテンツを上位表示する」
- 共起語
- 外部リンク対策の迷走
これらを信じ、コンテンツマーケティングのためのチームも設け体制をばっちりにして頑張りました。でも、残念ながら、この取り組みによってガッチリとコンバージョンが増えたと言える確証は持てませんでした。
その後、縁あって色々なサイトのコンテンツ状況をGoogleAnalyticsで拝見しますが、ブログコンテンツから大量のコンバージョンにつなげられているプレイヤーは見たことがありません。本当にうまくやり切れば実現出来なくはないのでしょうが。
当時の3つのトレンドを振り返る
検索ワードに親和性のあるコンテンツ
今思うと当たり前です。ただ当時、検索順位を上げたい単語をあからさまに散りばめると若干の効果があったように思います。2019年の時点で、それは効果は無くはないと思いますが、日本語の文章として無理のない範囲で十分です。
共起語
検索順位を上げたい単語に関連する言葉を同じページに散りばめる。同じドメインの別ページに色々散りばめられている。そうすると、順位を上げたいキーワードに対して評価が上がる。これは経験則になりますが、共起語の共起語はほとんど順位に影響を見ることができませんでした。上げたいキーワードとセットになる共起語は含めておくに越したことはないですが、これも過度にやりすぎても効果に繋がりません。
外部リンク対策の迷走
このトレンドが最もコンテンツマーケティングに影響したように思います。
- どこからどうやって外部リンクを獲得したらいいのか?
- 下手な外部リンクを付けてペナルティをくらう?
- Googleが内部重視に切り替わった?
これらの不安が各サイトに内部対策へ舵を切る力学を働かせました。SEO会社もせっせと外部リンクを作っていたのがいつの間にかコンテンツ作成会社に転身。時を経るとともに外部リンク対策を商品とするSEO会社は減っていきました。
コンテンツを発信し続けた先に
あらためて、数年取組を続けて100記事あっても300記事あっても、ブログコンテンツが大きな売上をもたらすことはありませんでした。ゼロではありませんが、ブログ作成に投資した金額を上回ることはありません。たしかにPV・UUは増えました。でも、コンバージョンに繋がらないのです。
そうすると原点に戻り、外部リンクが一番効果的と考えるべきじゃないでしょうか?Googleは内部対策の重要性を説いたかもしれませんが、外部リンクの否定をしたことがありません。検索ワード・コンテンツのテーマに親和性のある被リンクこそが順位に最も影響を与えるものだと考えます。
そもそもGoogle立ち上げ時の発想は学者の論文で、引用の多い論文が評価の高い論文→引用(被リンク)の多いページが評価の高いページというものです。日々検索ロジックは機械学習により自動でチューニングされ、ディテールは変わり続けることでしょうが本質は変わっていないのかもしれません。
とはいえ、そんな被リンクどうやって獲得すればいいのか。SNSでリンクを貼ってもらっても効果はほぼ無く、親和性のない被リンクがペナルティ対象になるのは変わりません。バズってシェアしてもらえる記事を日常的に発生させるのもとても大変です。適切なリンクを獲得するためには地道に培ったノウハウが必要になります。
まとめ
外部リンクの重要性は認識したほうがいいとはいえ、内部対策を全くしなくてもいいわけではありません。以下の順番に内部外部を整えることが大切でしょう。
1.キーワードに最も応えているコンテンツ
Googleはシンプルに、「検索ワードを通じていかにユーザーの知りたいことにアクセスできるか」を追求しています。そのため、上位表示させたいキーワードがあるならば、そのキーワードに対応するページを作らなくてはいけません。
ただしこれは、文字数やページ数を求めているものではありません。画像だらけであろうと、文字が少なかろうと、そのキーワードにピッタリ応えるコンテンツであることが重要です。
2.外部リンクの獲得
様々なサイトから外部リンクを獲得することが重要です。ただし、キーワードと親和性のあるページからの外部リンクを獲得しなければなりません。全然関係のないサイトやページからの被リンクは逆効果です。(2011年の前半からこの手法は通じなくなりました。)本来、SEO担当者はここに注力すべきです。被リンク数が増えるほど順位にプラスの影響があるはずです。
3.内部施策の強化
2.までである程度上位に表示されるようになっているはずです。そこから先はSEO対策が万全なサイト同士の戦いになります。ここで意識するべきは内部リンク。自社サイト内のページとページがどういったキーワードによって関連付けられているのか。内部リンクを張り巡らせます。
既存のページに対策が出来たら次は新規コンテンツを作成し、量を増やしつつリンクネットワークを強固にしていきます。
注意点は3.の内部施策強化と2.の外部リンクの獲得は順番を逆にすると効果が半減することです。外部リンク獲得は難易度の高い作業ですが、創意工夫して頑張りましょう。
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マーケティングアカデミア富田
マーケティングアカデミア富田
株式会社マーケティングアカデミア 代表取締役 20代はリクルートで人材系の法人営業。飛び込みやテレアポをしたくない、でも成果は出さないと行けない、というジレンマの中、気づけばメールマーケティング・カスタマーサクセスのような動きを自然身に着けていた。狙い通り、「自分は案件や引き合いが多くてテレアポの時間が作れないし、優先すべきは今ある案件の受注」という建前を作りつつ、表彰を多数獲得。 30歳の誕生月にリクルートを卒業し、ベンチャーで教育系求人サイトの事業責任者に。はじめて経験するデジタルマーケティング・サイトやシステムの制作に苦戦しつつ、自社開発でMAツールのような機能を作りながら会員の応募を増やし事業を成長させた。 その後偶然、MAツールの運用を支援したところ、これまでの他の事業・領域よりも成果に貢献でき満足度も高かった。営業・マーケティング・システムというMAツール運用に必要な領域で全て10,000時間以上の経験を積み重ねていたことが上手く昇華された。そのため現在はMAツール運用に集中し、1社でも多く自動化施策で成果と効率を上げるための取組を行っている。