すばらしいマーケター
MAツールの運用支援をしていると、とても優秀なマーケターの方とお仕事させていただく機会も多く、こちらが学ばせていただくことも日々あります。
どの領域の何のスキルが高い、というより、一つ一つの仕事、考えたうえでアウトプットを出
しているか・アウトプットを出すスピード感、など目に見えない部分に優秀さを感じることが多い印象です。
もちろん、明らかに「これはすごい」というWebサイト・広告・ホワイトペーパー・ブログなどわかりやすく感動することもあります。
優秀なマーケターのMAツール
しかし、そういった方がいる会社のMAツールを拝見すると、実は以外にも「マーケティングオートメーション」していないのです。
各社のMAツールを拝見する際は、いつもシナリオ・リスト・レポートを重点的に見るのですが、実は同じ傾向があります。
シナリオ・リスト・レポートの件数が多い
これは優秀なマーケターのアカウントを見るとほぼ確実な傾向です。
顧客をセグメンテーションし、「どういった属性・状態の顧客が何人いるか」をたくさんリスト化されています。
同様にレポートも件数が多く、表示形式もこなれており、しっかりと使われている状態です。シナリオの件数も多めです。1画面ではおさまらない数のシナリオがあります。
シナリオに傾向あり
ところが、シナリオの処理内容をよく見てみると、一つの傾向があることに気づきます。
それは、「シナリオを介してメール・SMS・LINEなどのメッセージを送っていない」ということです。
例外はフォーム送信後のサンクスメールです。顧客からフォームを送信された後にはサンクスメールでお礼を言いつつ入力内容を手元で確認してもらおうという丁寧な仕事の意識からくるものだと思われます。
シナリオからメッセージを送っていない理由
いくつか考えられますが、メインとなる理由は下記のいずれかorいずれも、と考えられます。
1. 可視化の意識が高い
とても良いことです。MAツール内外で起こっていることをデータとして蓄積する。そして蓄積したデータをレポートで表現する。表現されたレポートから示唆を見つけ次の企画に活かす。
優秀なマーケターの方ほど、可視化の意識が高く、この取組を徹底されています。
一方で、これは人や組織によりますが、可視化にリソースを割きすぎている可能性もあります。最終的には顧客と接点を持たなければいけないのに、その手前で満足してしまっているのです。
真実の瞬間はどこで起こっているのか?顧客の眼の前・手元で起こっていいます。
2. 勝手に連絡されるのが怖い
大手企業など、職種別・機能別に組織がしっかり分かれていると起きやすいパターンです。
マーケティング部がシナリオを作ってメッセージを自動化したのはいいけど、営業が知らなかった。そのため、顧客から、マーケティング部が作成したメッセージについて問合せが来て、慌てて対応した。営業からクレームが来た。という出来事があったか、あるんじゃないかと心配してしまいます。
その結果、結論が、「やらない」になるのです。
確かに社内外問わず、クレーム対応は精神的な工数が非常に高く、気持ちは下がってしまうし疲労感も半端ではありません。できれば一生クレームに遭遇せずキャリアを終えたいと思うほうが自然でしょう。
しかし、「やらない」という決断により、多くの貴重なタイミング・機会を逃していることに気づいていないのです。
3. マーケティング"オートメーション"の意味を把握していない
怠慢などではなく、純粋に知らないのです。
直訳に思いを巡らせるだけでも気づけます。
MAツール、マーケティングオートメーションツール。
マーケティングをオートメーションするツール。
つまり、「マーケティング活動」を「自動化」するためのツールなのです。
じゃあ何を自動化するか?ここに次のボトルネックがあります。
優秀なマーケターであっても、自動化するのがデータ入力やレポート作成で止まっているのです。
そこまで出来るなら、メールもSMSもLINEも、サイト内のコンテンツも自動化すればいいのに。
CRMマーケティングの本質
ここでCRMマーケターの出番です。
CRMマーケターがMAツールを活用することで、下記のような価値を発揮することが出来ます。
- 可視化
- 自動化・効率化
- 個別最適化
可視化
ここは優秀なマーケターの方がいるアカウントなら出来ていることが多い領域です。データを集め、レポート作成します。
自動化・効率化
いままで行っていたデータ入力作業、レポート作成作業、リスト作成作業など、どちらかというと事務作業に近い領域は優秀なマーケターの方々も行っています。
CRMマーケターは、メール・SMS・LINEなどのメッセージ配信やWebサイト上の表示コンテンツも含めて自動化していきます。
では、どう自動化していくのかというと、それが次の価値になります。
個別最適化
いくらメッセージを自動で送れるからと行って、全顧客に同じメッセージばかりを送っても効果は高まりません。
顧客一人ひとり、居る会社もチームも、現況も課題もそれぞれ違うのです。
そこで、CRMデータを活用して、個別最適化する。
それこそがマーケティングオートメーションの本質です。
では、どのようなCRMデータを使うのか?
おもに3種類のデータを組み合わせていきます。
属性情報
業界・従業員数・地域などの定型的な属性情報です。
これにより、顧客一人ひとりが居る会社に合わせたメッセージが送れるようになります。
応対・取引履歴
リード登録日、前回商談日・商談回数、購入歴のある商品(もしくはカテゴリ)など。
自社と顧客のこれまでのやりとり履歴を踏まえてコミュニケーションを取るだけで、「あの会社分かってるな」と好感を持たれます。
デジタルアクティビティー
自社サイトへの来訪・閲覧履歴、メールの開封・クリック、資料のダウンロード・閲覧など、デジタル上の顧客行動をトラッキングします。
これにより間接的ではありますが、顧客がどのような情報を探しているか・求めているかがわかります。
※なお、自社サイトやメッセージだけでなく、機能を追加していけば検索エンジン上の行動やSNS上の一部履歴も連携が可能です。
CRMマーケティングのねらい
本質的にやりたいことは、顧客の心象を上げることです。
「適当な一斉連絡じゃなくて、ちゃんと自分宛てに用件があって連絡をくれている」
「ちょうど良いタイミングで連絡をくれた」
「これまでの履歴も踏まえて、自分のことを分かってくれている」
このような感想をもたらすことで印象を高めたいのです。
その結果、
いますぐ客はすぐに商談を申し込んでくれて検討してくれるように。
そのうち客はニーズが出た時に一番に思い出して検討してくれるように。
それが出来るのがCRMマーケティングです。
CRMマーケターはどこにいるのか?
上記の通り、普段マーケターが扱っている業務とCRMマーケティングでは少し観点が違うのです。優秀なマーケターだからといって初月からスムーズにCRMマーケティングに取り組めるかと言うと、違います。ある程度の時間はみなくてはいけません。
じゃあ即戦力のCRMマーケターはどこにいるのか?
私達マーケティングアカデミアにも、CRMマーケターが必ず居る場所は皆目検討がつきません。MAツール・CRMの運用経験者の中にいる可能性は高いと思いますが、導入だけやっていた方も実は違います。
MAツールやCRMをフル活用しCRMマーケティングを推進したい場合は、マーケティングアカデミアにお問い合わせください。CRMマーケターがMAツール運用支援サービスとして、手を動かす部分も含めてサポートいたします。
マーケティングアカデミア富田
マーケティングアカデミア富田
株式会社マーケティングアカデミア 代表取締役 20代はリクルートで人材系の法人営業。飛び込みやテレアポをしたくない、でも成果は出さないと行けない、というジレンマの中、気づけばメールマーケティング・カスタマーサクセスのような動きを自然身に着けていた。狙い通り、「自分は案件や引き合いが多くてテレアポの時間が作れないし、優先すべきは今ある案件の受注」という建前を作りつつ、表彰を多数獲得。 30歳の誕生月にリクルートを卒業し、ベンチャーで教育系求人サイトの事業責任者に。はじめて経験するデジタルマーケティング・サイトやシステムの制作に苦戦しつつ、自社開発でMAツールのような機能を作りながら会員の応募を増やし事業を成長させた。 その後偶然、MAツールの運用を支援したところ、これまでの他の事業・領域よりも成果に貢献でき満足度も高かった。営業・マーケティング・システムというMAツール運用に必要な領域で全て10,000時間以上の経験を積み重ねていたことが上手く昇華された。そのため現在はMAツール運用に集中し、1社でも多く自動化施策で成果と効率を上げるための取組を行っている。