【なぜリードナーチャリングか?④最終回】「リードナーチャリング運用専業」という、国内で数少ないポジション — 専任の運用担当者が運用代行を継続提供する仕組み
はじめに
「MA ツールを買えばナーチャリングはできる」 — この言葉、信じきれましたか?
MA ツールベンダーから提案を受けた経験のある方なら、この問いに「正直、自社ですぐ動かせる気はしませんでした」とお答えになる方が多いのではないでしょうか。
私たちマーケティングアカデミアが、これまで複数業界の B2B クライアントをご支援してきた中で、最もよく聞こえてきた声が 「ツールは入れたが、運用が回らない」 です。
本シリーズの最終回は、この 運用が回らない という現実を、なぜそうなるのか、私たちはなぜそこに張れるのか、隠さずお話しします。
検証ステータス凡例: 🟢 一次確認済 / 🟡 二次経由 / 🔴 一次未検証 / ⚪ 弊社見解・試算
1. 「1 人 1 人との関係を大切にする」というサービス思想
サービス名「Kizuna(絆)」の意味
私たちが提供しているサービスの名は Kizuna 法人営業 です。
「Kizuna」は日本語の「絆」から取っています。すでに結ばれたご縁を、粗末にしない。
これがサービス設計の出発点です。
リードナーチャリングという領域は、テクノロジーの言葉で語られることが多く、「スコアリング」「自動配信」「行動トラッキング」といった用語が飛び交います。これらはすべて手段として重要ですが、その前に立つ思想として、私たちは 「1 人 1 人のご縁を大切にする」 という姿勢を保ちたいと考えています。
これは、対外的に貴社のブランド印象を高める活動の一環でもあります(⚪ 弊社見解)。展示会で名刺交換した相手、過去に問い合わせをくださった相手、ウェブサイトに何度か訪問された相手 — その方々を「リスト」ではなく「個別のご縁」として扱う姿勢は、対内的にも対外的にも、貴社の文化を形作っていきます。
私信のような 1:1 メールを、運用の中心に置く
リードナーチャリングの実装方法はいくつもありますが、私たちが運用の中心に置いているのは 「私信のような 1:1 メール」 です。
一斉配信のメルマガ感を出さず、担当者が手で書いたかのような自然な文体・問いかけ型の切り出しで、ハウスリードに 2 度目の接点を作ります。「今回は○○というテーマでお届けします」のような宣言調・告知調の文面は、私たちの運用ルールでは禁止しています。
代わりに、テーマに関する 問いかけ・課題打診 で切り出します。たとえば:
「展示会で獲得したリードへのフォローは、丁寧に・複数回できていらっしゃいますでしょうか?」
このような切り出し方は、テクニックの問題というより、思想の問題 です。1 通 1 通を「個別のご縁」として扱う姿勢が、文体に出ます。
2. リードナーチャリング運用の難しさ — マーケ・営業・システムの 3 領域
なぜ自社で気軽に始められないのか
リードナーチャリング運用は、3 つの領域にまたがる素養が必要です(⚪ 弊社見解、ただし業界の実務感覚として広く共有されています)。
① マーケティング領域
- ハウスリードのセグメント設計(業種、業界、規模、興味関心、購買フェーズ)
- メール文面のクリエイティブ(件名、本文、CTA)
- 配信タイミング・頻度の設計
- A/B テストと改善サイクルの運用
- カテゴリスコアリング、テンプレート設計
② 営業領域
- 商談化判断(スコアが何点でトスアップするか、誰がフォローするか)
- 営業現場で使える形でのリード情報整形
- トスアップ後の営業との連携、商談化フィードバックループ
- 業界別・商材別のクロージング設計
③ システム / 運用領域
- MA ツール / CRM の設定(HubSpot, Marketo, Salesforce Pardot, Zoho 等)
- ワークフロー自動化、トリガー設計
- 開封・クリック・返信トラッキング
- 配信エラー・到達率モニタリング
- データ統合(CRM ⇔ MA ⇔ 自社 DB)
これら 3 領域に「広く・浅くではなく、ある程度深く」精通している人材は、社内で 1 名見つけるのも容易ではありません。マーケ部にいる若手はマーケ寄り、営業部にいる中堅は営業寄り、情シスはシステム寄り で、3 領域を横断できる人材は希少です。
「やってみたが運用が回らなかった」という声
私たちのもとに相談に来られる企業の多くが、過去に MA ツールを導入された経験をお持ちです。そして、その多くが 「導入したが、運用が回らなかった」 とお話しされます。
理由はシンプルで、上記 3 領域を社内で組織化するコストが、運用そのものより大きいためです。「とりあえずメルマガだけ送って終わり」「行動トラッキングは設定したが、数値を見る習慣がない」「営業部に通知は飛ぶが、フォローが回らない」 — こうした状態は、3 領域の組織化が完成しないまま運用に入ったことの結果として起きます。
3. 国内で数少ない「リードナーチャリング運用専業」というポジション ⚪
業界の構造
国内でリードナーチャリング関連サービスを提供している企業を整理すると、ざっくり以下の 4 つに分かれます(⚪ 弊社調べ、業界ブログ・公式 LP・営業現場での情報を総合)。
① MA ツールベンダー(HubSpot, Marketo, Salesforce, Zoho, Shanon, SATORI 等) → ツール販売の付帯サービスとして導入支援
② MA 導入支援 SI(業務系 SIer の MA 部門、専門 SI) → プロジェクト単位の構築支援が中心
③ デジマ統合代理店(デジタルマーケ全般を扱う代理店) → リードナーチャは数あるサービスの 1 つ
④ リードナーチャリング運用専業 ← マーケティングアカデミア(運用支援を本業として継続提供) → 本業として継続的に運用
マーケティングアカデミアのポジション
私たちマーケティングアカデミアは、上記の ④ リードナーチャリング運用専業 にポジションを取っています。
⚠️ 「Only One」「No.1」「ほぼ存在しない」といった表現は使いません。景表法上の優良誤認リスクがあるためです。「数少ない」「限定的」という表現で、誠実に現状を表現しています(⚪ 弊社調べ)。
具体的には:
- ツール販売の付帯サービスとしてではなく、運用そのものを本業として提供
- 構築(プロジェクト単位)ではなく、運用(継続)として提供
- マーケ全般ではなく、ハウスリードの復活商談化 に特化
このポジショニングは、私たちが「ツール販売が本業」「マーケ全般が本業」ではないからこそ、貴社のハウスリードに集中して向き合える、という構造を生んでいます。
4. 専任の運用担当者 + Kizuna エンジン — 運用代行として継続提供できる仕組み
運用代行を「継続的に」提供することの難しさ
リードナーチャリング運用を 継続的な運用代行 として提供しようとすると、業界的には現実的なハードルがあります。
3 領域の素養を持った専任担当者をフルアサインすれば、それなりの工数がかかります。一方で、ハウスリードの復活商談化は、月単位・四半期単位での成果検証と細かなチューニングが必要な、息の長い活動です。「短期スポットの構築プロジェクト」では効果が出にくく、「継続運用」として提供できないと、本来の価値が出せません。
私たちマーケティングアカデミアは、この「継続的な運用代行」というスタイルを成立させるために、以下 2 つの組み合わせでサービスを設計しています。
運用代行を継続提供できる、2 つの構造的な要素
① 専任の運用担当者
貴社のハウスリードに対しては、マーケティングアカデミアの専任の運用担当者 がアサインされ、運用を継続的に担当します。
担当者は、
- マーケ・営業・システム 3 領域の素養を持つ
- 複数業界の B2B 支援経験を持ち、業界別ナレッジを体系化している
- メール文面のクリエイティブから配信設定、開封・返信モニタリング、トスアップ判断まで、一気通貫で運用する
専任 = 貴社の業界・商材・ハウスリードの特性に習熟する、という意味です。複数のクライアントを兼任することはありますが、各クライアントについて専任的に向き合います。
② 自社開発の運用エンジン「Kizuna」(補足)
担当者の運用効率を支えているのが、私たちが自社開発している 運用エンジン「Kizuna」 です(補足)。
Kizuna エンジンは、
- ハウスリードのセグメント分析
- メール文面のドラフト生成支援
- 配信スケジュール最適化
- 開封・クリック・返信トラッキング
- スコアリング、ホットリード自動検知
これらの運用作業を、担当者がより少ない工数で・より多く・より精度高く実行できるよう支援するツールです。
このツール活用により、結果として、担当者によるサービス提供品質のばらつきも防がれています。 たとえば「担当者 A はクリエイティブが上手だが、担当者 B はトスアップ判断が遅い」といった、属人化に伴う品質変動が起こりにくくなる構造です。
注:本シリーズの方針として、「専任の運用担当者」を主役とし、Kizuna エンジンは補足説明の位置づけとしています。あくまでサービスの中心は「貴社のハウスリードと向き合う担当者」です。エンジンはその担当者が活用するツールである、という位置関係です。
結果として
専任担当者 × Kizuna エンジンの組み合わせにより、
- リードナーチャリング運用を「継続的な運用代行」として提供できる体制が成立する
- 担当者間でのサービス提供品質のばらつきが抑えられる
- 複数業界の B2B クライアントへの並行支援が可能になる
という構造が実現しています。
5. 複数業界での支援実績と業界別ナレッジ ⚪
私たちは、複数業界の B2B クライアントへの支援実績を持っています。具体的な業界としては、
- 不動産 / 住宅
- 製造業
- 人材
- IT / SaaS
- 学習塾 / スクール
- 美容 / 美容医療
など。各業界には、ハウスリードの傾向、購買検討プロセス、商談化までの典型的な接点回数、トスアップ判断のタイミングといった、業界特有の運用ナレッジがあります。これを 業界別に体系化 することで、新規クライアントへの立ち上げが速まります。
個別企業名の公開は、原則としてクライアント企業様の承諾を得たうえで行っています。本記事では業界別の表記までにとどめます。
6. 私たちの考え — リードナーチャリングは、もっと広く実装されるべき
本シリーズの最後に、弊社の見解(⚪)を率直にお伝えします。
リードナーチャリングは、業界の中でいまも「メルマガの延長」「営業の補助」として軽く扱われている領域です。しかし、本シリーズで見てきた通り、
- 業績相関: ナーチャ実施企業の優位は 10 年以上前から指摘され、いまも引用が続いている
- CO2 効率: 他のマーケ手法と比べて 1/2 〜 1/10 の水準(弊社試算)
- 規制動向: 2026 年 9 月の EU ECGT 指令、WFA Planet Pledge、日本 B2B の調達基準サステナ化
- 関係性: 1 人 1 人のご縁を大切にする思想は、貴社のブランド・文化を形作る
これらを束ねて見ると、リードナーチャリングは「軽く扱う領域」では決してありません。
ただ、3 領域にまたがる素養が必要で、自社で気軽に始められない、という難しさがある。だからこそ、外部の専業支援会社が、貴社の運用を肩代わりする という選択肢が、業界に必要だと私たちは考えています。
そのポジションを、私たちマーケティングアカデミアが担えるよう、サービスを設計しています。
まとめ
- マーケティングアカデミアのサービス思想は「1 人 1 人のご縁を大切にする」。Kizuna(絆)のサービス名はその表れ
- リードナーチャリング運用は、マーケ・営業・システムの 3 領域にまたがる素養が必要 で、自社ですぐに気軽に始められるものではない(⚪)
- 国内で「リードナーチャリング運用専業」を本業とする支援会社は数少ない(⚪ 弊社調べ)
- 専任の運用担当者 + 自社開発の運用エンジン Kizuna の組み合わせにより、リードナーチャリング運用を「継続的な運用代行」として提供できる体制と、担当者間のサービス品質のばらつきが抑えられる構造を実現
- 複数業界の B2B クライアントへの支援実績を持ち、業界別ナレッジを体系化
クロージング
ここまで全 5 回(序章 + 4 視点)にわたって、「なぜリードナーチャリングか?」を Fact ベースで整理してきました。
業績、CO2、規制動向、関係性、専業ポジション — どの視点で見ても、ハウスリードを温め直す活動の価値は、業界で語られているよりもう一段深いところにある、というのが本シリーズで一貫してお伝えしたかったことです。
ぜひ、マーケティングアカデミアといっしょにリードナーチャリングを推進しましょう。
ご検討にあたり、貴社のハウスリードの量・現在の運用状況・社内の関心テーマなど、お聞かせいただける内容があれば、まずは 30 分程度のご相談から承っております。
シリーズ「なぜリードナーチャリングか?」 全記事
- 【序章】業績相関 × 脱炭素 × 関係性 × 専業ポジション — 4 つの視点
- 【①】業績相関 — Forrester +50%・Annuitas +47% の本当の読み方
- 【②】CO2 ベンチマーク試算 — DM 25g、メール 0.3〜17g から見える「他のマーケ手法と比べて 1/2〜1/10」の意味
- 【③】2026 年 9 月 EU ECGT 指令施行・WFA Planet Pledge と日本 B2B の調達基準サステナ化
- 【④最終回】「リードナーチャリング運用専業」という、国内で数少ないポジション(本記事)
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マーケティングアカデミアは、リードナーチャリング運用を専業とする支援会社です。専任の運用担当者 が、貴社のハウスリードを温め直し、商談化(トスアップ)するサービスを提供しています。
マーケティングアカデミア富田
マーケティングアカデミア富田
株式会社マーケティングアカデミア 代表取締役 20代はリクルートで人材系の法人営業。飛び込みやテレアポをしたくない、でも成果は出さないと行けない、というジレンマの中、気づけばメールマーケティング・カスタマーサクセスのような動きを自然身に着けていた。狙い通り、「自分は案件や引き合いが多くてテレアポの時間が作れないし、優先すべきは今ある案件の受注」という建前を作りつつ、表彰を多数獲得。 30歳の誕生月にリクルートを卒業し、ベンチャーで教育系求人サイトの事業責任者に。はじめて経験するデジタルマーケティング・サイトやシステムの制作に苦戦しつつ、自社開発でMAツールのような機能を作りながら会員の応募を増やし事業を成長させた。 その後偶然、MAツールの運用を支援したところ、これまでの他の事業・領域よりも成果に貢献でき満足度も高かった。営業・マーケティング・システムというMAツール運用に必要な領域で全て10,000時間以上の経験を積み重ねていたことが上手く昇華された。そのため現在はMAツール運用に集中し、1社でも多く自動化施策で成果と効率を上げるための取組を行っている。
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